スカンク・ワークは、組織の影響から独立して個人としての高いモチベーションを伴った活動ができることから、革新的な成果につながるイノベーションの萌芽として有力である。
一方で、マーケティングの基本を構成しているのは、経営本体を含む他部門と最終顧客の動向との連携の要素である。このことから、マーケティング部門がスカンク・ワークを実務的な成果を念頭に置きつつ実践しようとすると、どうしても共同作業が絡んでくる。
他方で、スカンク・ワークの基本を構成しているのは、小さなチームまたは個人の自主性である。
それらの意味合いから、マーケティングに関わる方がスカンク・ワークを行う場合は、個人のモチベーション管理と他部門との上手い連携の両立が必要と考える。第二回目の本稿では個人のモチベーション側面の工夫についてについて取り上げる。
目次
1.自分流の全面活用と境界明示
本稿では、個人がリーダーシップを発揮した形式で、モチベーションの側面からのスカンク・ワークを考える。その際、基本となるのは、組織の思惑とは別に、自己の想いを活用したモチベーション維持法である。
その際の一工夫として、自己こだわり部分の明示化と、それを応用するに当たっての課題などの拡張部分の境界を分けて文面化することを提案する。このことのメリットは、文面化することによって自己認識としてのモチベーションの内容整理と強化はもちろんのこと、加えて、コワークとして他者に協力を求める際の相手の立ち位置を確認できることにある。
筆者は、モチベーション側面としてもコワークとして機能する際は、任意性がある中での個々の自主性を重視した役割分担を決める観点から、機能性の中身を整理することが重要と考える。特に、マーケティング部門は他部門の機能と多重に関わっており、多様な協力メンバーにコワークの意義を伝達する必要性から、なおさら重要である。
前段の整理を基本として、スカンク・ワークのリーダーが自分流を全面に出した場合、それに集まるメンバーは、リーダー想いまたは手法への興味から参加か、さらに、拡張部分に関する個人または組織の活用に関する興味から参加かといった具合に、メンバーの立場を整理できる。
そうすると、スカンク・ワークを進める最中に上がってくる、メンバーからの改善案やクレームの意味合いとその対処を整理することが可能になると考える。このことは、リーダー自身のモチベーションと行動面を連携させて維持することに役立つ。
2.小さな成果「境界拡張型」ディフェンスの可能性
前節で用いた整理法は、非協力的な環境下で、スカンク・コワークでの小さな成果を大きな成果につなげる意味でもメリットがある。なぜなら、チーム以外からの詰問に対して、チームの根幹部分からの対応か、それ以外としての扱いかを切り分けながら、進めることができるからである。
つまり、精神衛生面を含めたディフェンスをしやすくなることで、円滑にスカンク・ワークを進めることができる。
なお、チーム活動の根幹部分を適切に拡張していくことは、マーケティング部門の業務の多面性から、小さな成果を他部署への協力を得ながら大きくしていく意味で重要である。さらに、一定レベルでの「ディフェンスをやり切った実績」は、非協力的な環境下では実りあるものになると考える。
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| 松島和史 |
| 代表・DataStrategist |
| 主にサプライチェーン産業のノウハウを活かして、生産・物流・販売の統計を用いたデータ解析の設計から解析・改善の深耕まで実践中。モノから人へ。マーケティング視点と業務視点両方ありのプレイングマネージャータイプ |