マーケティングの戦略および活動は、常に改善が求められる。今回は、企業の社会的責任と関連する共生マーケティングを例にとり、その質的な変化を伴うであろう改善について何が必要になるか取り上げてみようと思う。
目次
1.共生マーケティングを運用するのは誰か
共生マーケティングは、従来の売り手の論理を中心に考えていたマーケティングの概念を、買い手ひいては自然環境などの外部環境への信頼を含めたものに拡張したものである。その共生マーケティングの考案および運用を中心に考える場合、主語は「自組織の人材」となる。
このことは、共生マーケティングのより良い実践に向けた改善に関して、多くの示唆を与える。「自組織の採用基準に沿った」採用による人材ということに着目するならば、採用基準を改善するすることが一案である。
また、「自組織の人材の考え方での限界」に着目するならば、共生マーケティングの中身を作るプロセスについて、自組織以外の人材からアイデアを集めるといったことが必要となる。
さらに、共生マーケティングの中身の作成プロセスで工夫しても、いざ実践時には、自組織の人材の考え方のフィルターがかかることへの考慮を要する。
上記の課題がある共生マーケティングの取り組みについて、次節でデータ側面に観点を絞って検証してみる。
2.データのオープン化と手法の社会的な洗練が鍵か
共生マーケティングについて、何らかのデータ群として表現できるとみなす場合、視点を拡張させてデータ群を管理すると、前節での課題に対しての回答に近づくことになる。
ちょうど、イメージとしてはジョハリの窓の区分にように、自組織からかつ他者から共通で見える共生マーケティングのデータ群か、自組織のみ・他者のみでしか見えない共生マーケティングのデータ群かといった区分けである。
この区分けについて、元とするデータの所持者を、自組織から同業の他組織に置き換えたり、他者のパターンの数を増やすといったプロセスを経ると、共生マーケティングに関するデータ群の多様性が増すことになる。
さらに、データの作り方についても、共生となる領域を自組織の独自データを元に加工して作るのか、外部環境から作るのか、あるいは両者の中間を採用するのか、といった選択幅が生じる。また、生成したデータ群のより良い活用についても多角的な検証を要する。
結果として、より良い共生マーケティングの構築のためには、データの部分オープン化を伴った社会財化の質的変化のプロセスが鍵となってくる。
ちょうど、近年の公共部門のオープンデータ化に伴う、データ活用サービスの拡大の流れともつながってくると考える。なお、独自ノウハウによる差別化観点からのクローズ・オープンの場合分け、またマーケティング手法を洗練する上での社会的な人材教育レベルの底上げといった課題にも取り組む必要が生じている。
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| 松島和史 |
| 代表・DataStrategist |
| 主にサプライチェーン産業のノウハウを活かして、生産・物流・販売の統計を用いたデータ解析の設計から解析・改善の深耕まで実践中。モノから人へ。マーケティング視点と業務視点両方ありのプレイングマネージャータイプ |