今回は、近年ソーシャルゲーミおよび企業サイトに適用されているゲーミフィケーションについて取り上げる。ゲーミフィケーションは、そのサービスの利用者が達成感を感じつつ夢中になりやすいことから、プラットホームの活性化やブランド価値の浸透に用いられる。
さて、ゲーミフィケーションそのものはユーザーへの提供価値のみならず、運営側のより良いサービスの考案に対しても応用が可能である。読者の方々には、内省要因としてのゲーミフィケーションを実践、応用を通じたイノベーション創出への一助として頂きたい。
目的
1.ビジネス基準外のモチベーションを個人単位、チーム単位どう保持するか
ゲーミフィケーションの特長として、サービスの利用者が楽しみながらの達成感の獲得できることがある。
運営側としては、より自発的で達成感のあるものを提供して、利用者がリピートしてくれたり、アンバサダーとしてそのサービスを宣伝くれることを願うのが通例である。しかし、ビジネスとしての運営活動では、客観的な評価軸としてビジネスでの指標のみの評価となってしまう。筆者は、このことに関して、ゲーミフィケーションを実践する側としての内省を含むモチベーションの発掘に関する工夫を行う余地が生じていると考える。
モチベーションの発掘の前段階として、散見されるサービス上の課題についても言及しておく。1つ目は過去の成功例の再活用による目新しさの減少、2つ目は義務感と煩雑性を伴うプロセスをサービスの一端に紛れ込ませていることである。前者はビジネス上の一定の成功見込みを得られることから無難な選択を行った結果が要因としてあり、後者はビジネス上のKPI取得を優先したことが要因であると考えられる。
このように、ゲーミフィケーションのサービスレベルの低下要因になり得るビジネス指標の重圧への対抗策としては、サービス運営側に、ビジネス基準外のモチベーション基準を個人単位、チーム単位でどう持つかが普段からの課題であると考える。
それらの基準は、ビジネス成功例に対する“失敗例の判定”の基準、または現行のビジネス基準上では乖離があって受け入れられない“革新的すぎるアイデア”に属する基準であったりする。
それらの活用に関して、通常のビジネス部署では挑戦しにくい分、ゲーミフィケーション運用部署の楽しみながら達成感を創出するノウハウを生かす形での挑戦が望まれる。筆者が考える具体例の一端として、飽きやすいユーザー想定の途中脱落の期待値、実は楽屋落ちだったかもしれない要素ランキング、他の代替ブランドなら効果が期待できるIFストーリーといったものがある。取るに足らないアイデアであっても明文化による問題改善の方針の下、自発的に取り組む姿勢が次のイノベーションへのカギとなり得るだろう。
2.人材教育の道に通ず
前節の内容は、満足度の高いサービスの提供とビジネス上の利潤追求のトレードオフ、企画の実践と予算制約のトレードオフとも関連しており、元来発想の豊かさが求められるゲーミフィケーションの分野にその改善への活路がある。
特に、長期的な人材教育の一環として、自発的で達成感のあるストーリーをサービスの提供のみならず、自らも実践して行く姿勢が業界の発展にも寄与するものと考える。
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| 松島和史 |
| 代表・DataStrategist |
| 主にサプライチェーン産業のノウハウを活かして、生産・物流・販売の統計を用いたデータ解析の設計から解析・改善の深耕まで実践中。モノから人へ。マーケティング視点と業務視点両方ありのプレイングマネージャータイプ |